ナイター開催の伊勢崎オートGⅡ「稲妻賞」は15日の最終日、12Rで優勝戦(湿走路)が行われ、渡辺篤(48=浜松)が速攻戦でグレード戦初のタイトルを手にした。通算では10回目の優勝。青山周平は4着に終わった。

「晴れが良くなかったので、降れ降れって思っていました」。

 その神通力が天に届いた。9R発売中から断続的に雨が降り、湿走路となった。この千載一遇のチャンスをモノにした。内を走る2番車・石本圭耶と外を周る渡辺との先頭争いは2周回、渡辺が思い切ったまくり攻勢でケリをつけ、そのまま振り切った。

賞金ボードを掲げる渡辺篤

「外のコースが利くのは分かっていたので、頑張って(グリップを)開けて走った。最後までビジョンを見ないようにコースを守って開けていった。早く終われと思った」と必死の8周回だったと振り返った。

 これが意外にもグレード戦初制覇。「全然、実感がわかない」とは言うものの、ファンの拍手を浴びた表彰式を終え「メチャクチャうれしい。もうグレード戦は無理かと思っていたので」と表情も緩んだ。

 次走は17日開幕の浜松と戦いはすぐに始まる。「優勝の余韻に浸りながら頑張ります」と凱旋レースでの好走を誓っていた。