2025年のオートレースは青山周平、鈴木圭一郎にSG初制覇を達成した佐藤励、年間最多勝利記録更新の黒川京介と「4強」時代に突入。だが、そこに殴り込みをかける“新世代”の存在も忘れてはならない。森下輝(26=浜松)は浅倉樹良、福岡鷹らとともに37期を代表するスピードが売りのホープ。24年デビューから約2年、2級車でのレースを卒業し、26年からはいよいよ1級車に乗り換えとなる。満を持して“打倒4強”に乗り出す。

オート界の4強(左から青山周平、鈴木圭一郎、佐藤励、黒川京介)

 2025年1月23日の浜松GⅡ・ウィナーズカップ2日目、上がりタイム3・355秒をマークした。デビューから22日の史上最短Vと華々しい記録をつくった同期・浅倉樹良でさえ「森下は速い」と一目置く。「この時はエンジンが一番良かったですね。でも、逃げ展開でしたから」と謙遜する一方で「スピードの出し方はある。自分のコースを走れれば、出せる自信はあります」と断言する。

 だが、それだけでは勝てないのは百も承知。「後ろから走れば1級車に邪魔される。セッティングを出しても100%その通りには走れない。相手関係も考えて、エンジンをつくらないといけないけど、それが難しい」。2級車2年目はハンデ位置も下がり苦しんだ。その中で11月、山陽で3連勝の完全Vを決めた。「1年目にハンデ位置が下がって2年目もきつかった。でも、山陽の優勝は大きかったですね。最重ハンデの20メートル前の位置で、前後に人がいる中で抜いて勝てた。しかも良走路。1年目の2回の優勝は雨のレースで逃げ展開だったので。2年目は次につなげる意識や考え方、仕上げ方は努力しセッティングも覚えてきました。内容も良かったし結果につながり、その意味では成長できたと思う」。最終的に10メートル前までハンデが下がり、力がついたことを実感する1年になった。

 26年はいよいよ1級車に乗り換えレースを行う。練習も始まっているが、2級車とのパワー差を実感している。「疲れますね。でも、2級車の開けて回るグリップがあれば速いと思う。やっぱり2級車には乗る意味があります。(鈴木)圭一郎さんも乗りますからね」。これまでの経験を生かすつもりだ。

 大胆な野望もある。「最近は黒川(京介)さん、佐藤励さんとか速い。そこに青山(周平)さん、圭一郎さん、荒尾(聡)さん、有吉(辰也)さん、永井(大介)さんとかすごい選手がいる。そこには入れるようになりたいです。倒さないといけない。37期で盛り上げて、時代を変えたい。自分たちの時代にしたい」。浅倉、2級車でSG日本選手権に出場した福岡鷹、37期新人王決定戦を制した村田光希ら同期でオートレース新時代を築くことを目指していく。この“宣誓”はオートレーサーになった以上、頂点を目指し精進する気持ちの表れだ。

 1級車も万全な状態にして1月1日開幕の浜松開催に臨む。「いい成績を収めたい。欲を言えば優勝できるように。今後は、きれいにさばいて自由自在に走れる選手になりたいですね。最近Sも重要だから、磨かないと」と力を込める。

 そして「スーパースター王座決定戦トライアルに出られるように頑張りたい」と年末のベスト16入りを目標に掲げる。「吉林(直都)さんもスーパースタートライアルに選ばれた。自分もそうなりたい。そのためにも、グレード戦に出て優勝戦に乗らないと。まずはそこですね」。2級車で鍛えられた2年間を武器に、飛躍の1年にする。

【尊敬する選手】森下が尊敬する選手は佐藤摩弥。2011年、女子レーサー誕生と話題になり、今では常にS級トップで活躍する超の付く実力派だ。「佐藤さんは女性レーサーなのにガッツがものすごくあるし、カッコいい。自分が養成所にいた時、川口でGI(キューポラ杯)を取ったのを見ました。女子レーサー初だし、すごいなと思いました」。これまで直接対決は4回。

 初対戦は24年8月のSGオートレースグランプリ。「Sがすごい早いし、速かった」と圧倒された。だが「1回だけ勝ったことがあるんです。『速かった』と言われました」と25年4月の浜松で雪辱の勝利を挙げられたことは自慢のひとつだ。

森下が尊敬するレーサーは佐藤摩弥

【プライベート】 オートレーサーという特殊な仕事だけに「友人と休みが合わない」と苦笑い。オフは「映画見るのが好きなのでネットフリックスとか見ています。基本的に家にいることが多いですね」という。ただ「最近ゴルフを始めたので練習に行ったりします。1回、コースに出ました」と新たな趣味もできた。

 容姿もカッコいいだけにモテそうだが「(彼女)いないんですよ。募集中です」とのこと。好みのタイプは「芸能人でいえば出口夏希さん。顔もかわいいし性格も良さそう」と即答。2026年は公私ともに充実の1年にする。

好きなタイプは出口夏希

☆もりした・ひかる 1999年7月19日生まれ。静岡県出身。浜松所属の37期。2024年1月9日選手登録。同年1月15日に浜松で初出走、初勝利を挙げる。デビュー4節目の3月浜松で初優勝。同月に2回目のV。8月伊勢崎・第28回オートレースグランプリでSG初出場、4日目にSG初勝利を挙げる。これまで通算3V。同期は浅倉樹良、北市唯、田中崇太、丹下昂紀、福岡鷹、村田光希ら。身長169センチ、血液型=AB。