気になる若手オートレーサーをロッカーで直撃する「渚のオートにまつわるエトセトラ~ロッカー便り~」――。今年1月のデビュー戦から100戦目にして初勝利を手にした山陽オート38期の小松俊輔選手(22)。長く苦しんだ彼を奮い立たせたのは〝ある選手〟の優勝でした。その選手をはじめ意外な選手との親交や今後の目標についてインタビューしてきました!
渚 デビューしてから苦戦する期間が続きました。一番苦しかったことはなんですか?
小松 乗れないことでいろんな先輩方からアドバイスをいただいていたのですが、それでも乗れない期間が続いたので歯痒さと申し訳ない気持ちがかなりあり、そこが一番つらかったです。
渚 その悔しい期間を経て昨日(※12月14日、取材日は15日)デビュー初の1着となりました。おめでとうございます! 今のお気持ちは?
小松 ゴール戦を切った時は素直にうれしかったですが、今はかなり出遅れているので次に焦点を当てて考えてます。
渚 師匠の松井大和選手から何か言われましたか?
小松 「良かったね!」と喜んでくれました。うれしかったです。
渚 現在、一番苦戦しているところは?
小松 たくさんあり過ぎて…。アクセルを開けるとコースを外すし、コースを守ろうと思ったら絞ってしまって…。オートレースの難しさを痛感してます。
渚 自動車工学科を卒業していますね。
小松 車が好きで整備の勉強をしていました。
渚 高校卒業後にオートレーサーになろうと思ったきっかけは?
小松 住んでる地域からはボートレース場が近いのでボートレースを見に行った時に公営競技の存在を知りました。その時にオートレースに興味を持って飯塚オートで初めてオートレースを観た時にびっくりする位の圧倒的な迫力に魅了されたのがきっかけです。
渚 ライバル選手は?
小松 同じ山陽オート所属の植村愛悠斗選手です。
渚 植村選手といえば12月10日に竹尾選手に続き初優勝!
小松 あらためてすごいなと思いました。竹尾選手の優勝は場も違いますし、なんというか雲の上の存在だったのですが、植村選手は同じ場でとても身近な人だった。だから彼の優勝もあって今節は特に頑張りたいなと意気込んでました。
渚 同期で高め合っている感じがいいですね。植村選手とは斡旋が同じだった時は意見交換などしますか?
小松 します! 整備のことだったり…。相談に乗ってくれています。年下ですけど、とても頼りにしています。
渚 38期の選手とはプライベートで親交は?
小松 それがまだないんですよね…。38期の選手ではないのですが、同じ山陽オートの中野政則選手にはご飯に連れて行ってもらったり仲良くしてもらってます。
渚 ちょっと意外ですね。レーサーになる前からの知り合いとか?
小松 いや、レーサーになってからです。趣味が同じって訳でもないのできっかけは分からないのですが…。強いて言うならロッカーが近いってことくらいですね。
渚 どんな話をされるのですか?
小松 プライベートなことからオートのことまでいろいろ話しますが、基本的にぼくがイジられてます(笑い)。
渚 今後の目標は?
小松 すぐに2勝目を取ることです。
渚 オートレーサーとしての目標は
小松 最重ハンデでしっかり戦える選手になりたいです。
【取材を終えて】オートレースは難しい――。思っていた以上に包み隠さず現状を語ってくれました。結果の出ない悔しい時間が長く続きましたが、同期の選手を素直にすごいと言える謙虚さや師匠やアドバイスをもらった先輩レーサーへの感謝の気持ちを忘れない人柄も応援したくなる選手でした。決して逃げず正面から苦しい時間と向き合ってもがき続けた、その地面は誰よりも強く固められ、これからの飛躍の土台になっていると思います。今後も小松選手から目が離せません!