川口オートSG「第56回日本選手権オートレース」は3日、5日目を開催した。一般戦回りとなった森且行(50=川口)は8Rで1着。今節初勝利にレース後は安堵の表情を見せた。

 5日目にして、ようやくシリーズ初勝利が挙がった。試走一番時計(3・30)の機力を前面に押し出した素早い攻めで、2周3角では先頭に立つ圧勝劇。久々に森らしい速攻が決まった。

「結局パーツはやらずセッティングだけでいったけど、エンジンは鈍い。タイヤを滑らせないように慎重に走ったのもあるけど、ペースも上がらないね」と例によって辛口だが、待望の白星に表情は自然と緩んだ。

 試走タイムは準決勝戦組とも遜色なく「どっこいどっこいだよね。こっちも30出ているから」と、エンジンのベースが高いレベルにあるのは明らか。「明日(4日)はピストン(交換)やるよ。足周りに違和感があるのでフレームも締め直す」。連勝で締めるべく、最後まで整備の手は緩めない。

 選手権での1着は悲願のSG初制覇を飾った4年前の当地優勝戦以来。この日と同じ11月3日だった。それについては特に触れずに「また来年出られるように頑張ります」。ちょっとはにかんだような表情に、この白星の持つ重みがにじみ出ているようだった。