気になる若手オートレーサーをロッカーで直撃する「渚のオートにまつわるエトセトラ~ロッカー便り~」――。今回は前職がトランスミッションのエンジニアという経歴を持つ浜松オート38期の鈴木景斗選手(27)へのインタビューです。もともと機械いじりが好きで趣味もDIYというオートレースの整備に必要な才能を持ち合わせた期待の新人選手。オートレーサーを目指すきっかけやその魅力について熱く語ってくださいました。

 渚 デビューして10か月。心境の変化は?

 鈴木 大きくは変わっていません。落ち着いてレースに挑むようにはしてますが、師匠に教わりながら課題に向き合うので精一杯です。

 渚 今、一番苦戦しているところは?

 鈴木 直線で車体が起きてしまい、コーナーに突っ込む角度が悪いことです。

 渚 それは癖みたいなものですか?

 鈴木 そうですね。直線で車体を起こしやすくて…。寝かせたまま開けるというのができてないのでペースも上がらない感じです。

 渚 改善されるといいですね! ただ、9月の川口で初めて優勝戦に乗ったりと成績も良くなっています。何か変えた点はありますか?

 鈴木 ハンデ50メートル前の時に3勝したことがあったんです。左ハンドルの長さを変えたら乗りやすくてタイムが上がって着にも絡めるようになりました。

 渚 初の優勝戦はどうでした?

 鈴木 思ったより緊張しませんでした。頑張ろうとし過ぎるとレースで滑らせてしまうので前半は落ち着いてできたと思います。

 渚 4周回目までトップに立っていました。

 鈴木 残り2周のところで片野選手に差されて、なんとかついて行こうとしましたが、だいぶ滑らせてしまいました。

 渚 前職はトランスミッションのエンジニアということですが、整備で生かせているところはありますか?

 鈴木 会社では整備は一切してなかったので全然、別モノですね。

 渚 オートレーサーになったきっかけは?

 鈴木 仕事で少し悩んでいた時期があって転職を考えた時にオートレースを見て引き込まれました。

 渚 オートレースを見に行った理由は?

 鈴木 やっぱりバイクが好きなのでバイク関係の仕事を考えていました。幼い頃から物作りやメカをイジることが好きだったのでオートレースは自分自身で整備をすることを知り興味を持ちました。

 渚 初めて見たオートレースの感想は?

 鈴木 めちゃくちゃ格好よかったです! 音ももちろんですが、競走車が重なり合って抜きつ抜かれつの攻防戦をしてるのを見た時に衝撃を受けました。

 渚 38期の選手の中でライバル選手は?

 鈴木 いっぱいいます! 全員がライバルですね。

 渚 9月4日の飯塚で竹尾竜生選手が38期初の優勝を飾りました。

 鈴木 めちゃくちゃ悔しいです。竹尾と仲良いので余計に、くそ~!って思いました。

 渚 38期の選手で仲のいい選手は竹尾選手ですか?

 鈴木 竹尾に限らず全員、仲がいいです。遠征の時は終わってから、みんなでご飯に行ったりしてます。

 渚 目標は?

 鈴木 まずは試走でタイムを出すことです。今はまだ3・40秒台くらいしか出なくて…。試走から3・30秒台を出したいですね。

 渚 大きな目標は?

 鈴木 SGを取ることです!

 渚 ファンの皆さんにメッセージを

 鈴木 皆さんのご期待に答えれるように一歩ずつ成長して、もっと後ろ(のハンデ位置)で走れるように頑張りますので応援よろしくお願いします!

【取材を終えて】オートレースならではの心踊らせるエンジン音、異次元のスピードでコーナーへ突っ込んで行く迫力、彼が初めてレースを生で見た心の感動は、そのままオートレース界へと彼自身を導びきました。幼い頃から機械いじりが好きだった性分はオートレーサーにとって必要不可欠な才能。そんな若獅子の姿はコツコツと牙を研ぎいずれSG戴冠という目標に日々、近づいているような印象でした。今後の活躍から目が離せない存在です。