伊勢崎オートのSG「第29回オートレースグランプリ」が10日に開幕する。主役は大会4連覇を目指す青山周平(40=伊勢崎)だ。
――2月、全日本選抜で完全V。GIも1月の伊勢崎シルクカップ、3月浜松プレミアムカップで完全Vを達成した
青山 すごいじゃないですか。人ごとのようです(笑い)。
――近況のマシンの仕上がりは
青山 決して悪くないけど、今年前半はずっと地元を走れず遠征続きで6月のGⅡ稲妻賞は1月以来の地元戦でした。そういうのもあって今年の初めや春先より少し感じが変わったかな。
――その稲妻賞以降、また上向きで7月は地元戦2節連続V
青山 少しずつ地元で調整できていることは大きい。迷った時、いろんなもの(部品)が揃っている。合わせやすいし十分戦えている。地元でいろんなものを確認できたし、6月に地元で走れたことは、自分の中で大きかった。
――SGの中でも成績がいいのはオートレースグランプリ。現在3連覇中で完全Vも3回ある
青山 地元だし乗っている機会が多いのはあるかな。あとはファンの皆さんに支えられている部分は大きいですね。優勝した時は声援を肌で感じます。3連覇できれば十分です(笑い)。
――若手の台頭も
青山 最近は20代の若い子が速い。黒ちゃん(黒川京介)も3・31秒台とかで上がる。速い選手が増えていますね。自分が若かった頃に速かった先輩方が年齢とともに少しずつ落ち着いてきているのもあるのかも…
――今年は4連覇がかかる
青山 いい形で臨み、ベストを出せるように。焦ったところでいいことはない。できることをコツコツやっていく。今年はかなり厳しいと思う。でも、それを覚悟の上です。何があるか分からないし、最後まであきらめず頑張ります。
――GI、SGと普通開催は臨む気持ちに差は
青山 レースに対する気持ちは変わらないけど、グレード戦になれば賞金もメンバーも違う。モチベーションは自然と高まるだろうけど…。SGとかに調子を上げて行けるようには心掛けています。それはエンジン、自分の体調面も両方です。
――オン、オフは
青山 レースは基本ずっとオン。宿舎ではオフのつもりでいます。レース場のロッカーで切り替えています。この世界に入ったころは先輩が仕事しているし、自分の時間なんかなかった。今は下の選手も増えているし、少しずつ余裕はできているかな。
――疲労感は
青山 最近、開催が終わるたびに疲れます(笑い)。優勝して昔は「うれしい」と思ったけど、最近は「ああ疲れた、終わった。優勝できた」と疲れたが先。開催が多いのもあるし、SGも6日間と長くなったのもあるかな。
――対策は
青山 年齢もあって多少は考えている。鈴木圭一郎と10歳くらい違う。若い他の子たちは15、6違う。対抗できるようにというか、老いないように心掛けています。体を鍛えることもあるけど、走りでもです。若い子たちを見て吸収できるものは吸収しようと思っています。先輩方も見て自分に取り入れられるようにしています。「ああ、そういうふうに走っているんだな」とか「こういうふうに乗るんだな」とか…。試したりしますよ。まだまだ成長できるなと感じることもあります。
――まだ吸収することはある
青山 勉強することはたくさんあります。奥が深い。昨日やったことが今日できないこともある。計算式みたいにあと1個、足せばいいね、引けばいいねとか簡単ではないので…。「これはこうすると」とか仮説を立てて違った、合ってたの繰り返し。だから、みんなロッカー裏の試走路でエンジンかけて調整するんですよ。
――その積み重ねでオート界をリードする存在になった
青山 こんな自分、想像してなかった。自分がGI優勝回数最多ですよ。そんなバカなって。
――やってきたという自負は
青山 全然ない。自分ごときがって…。周りを見る余裕はないし、記録にこだわる方じゃないので…。
――記録への関心は
青山 一走一走しっかり走って結果的に10連勝したとか、そうなったって感じ。達成したいという気持ちは湧いてこない。でも、選手になって良かった。幸せです。周りの環境にも恵まれている。いいタイミングでこの世界に入ることができた。31期の同期に出会えたことも良かった。毎年毎年がピークと思い「これを超えられないな」と思い続けて、それをクリアできているので。