気になる若手オートレーサーをロッカーでインタビューする「渚のオートにまつわるエトセトラ~ロッカー便り~」――。今回は補欠合格から優秀選手へと這い上がった最年少の若きレーサー。山陽アマチュアオート出身という経歴を持つ植村愛悠斗選手(18=山陽)にインタビューしてきました。
渚 デビューされて5か月ほど経ちました。今の心境を
植村 オートレースの難しさに苦戦しています。大きいコースを走るのが難しいんです。
渚 意識して内を走られているのかと…
植村 本当は外に行きたいんですが、どうしても着を気にしたり後ろの選手が見えてしまうと焦って小さく走ってしまうんです。
渚 今まで走ったレースで一番良かったと思うレースは
植村 1回もないですね。今は勝ったとか負けたよりも納得のできる走りをしたいのですが、どうしてもコースが小さくなってしまう。良かったと思えるレースができていません。
渚 デビュー戦の節は着にも絡んでいました
植村 デビュー戦は緊張もなく、ハンデも今よりありました。落ち着いて自分のコースを走れたっていうのと、走路温度も低かったので勝てていた感じです。
渚 山陽アマチュアオートで走られていたそうですが、実際のオートレースとの違いは
植村 全然違いますね。違う乗り物です。どうしてもアマチュアオートの時の癖が出て、前のめりになったりしちゃいます。
渚 山陽アマチュアオートの経験が生かされてるところは
植村 養成所時代にバイクへの恐怖心が最初からなかったのは、生かされているなと思いました。あとダートはリアが流れやすいので、濡走路に近い。おかげで濡走路を走る時に楽しいと感じています。
渚 養成所の試験は当初、補欠合格だと伺ったのですが…
植村 自分は補欠合格。受かった選手の中で辞退が出たので、補欠だった僕が繰り上がりになりました。
渚 補欠合格からの優秀選手ってすごいドラマがありますね! あるインタビュー記事を読んで、その反骨心が、すごく選手としての魅力になっていると感じましたが、植村選手自身ははどう感じてましたか
植村 めっちゃありました! 選手全員で揃う時に、この人たちに負けたのかって悔しく思ってました(笑い)。
渚 もし補欠合格じゃなくて一発合格だったら、そこまでの闘志になってなかったかも…
植村 そうですね。一発合格だったら「簡単じゃん!」って思ってしまっていたかもしれません。
渚 公式のインタビュー動画を拝見しましたが、初賞金が入ったらお母さまにご飯をごちそうしたいと仰っていました。もう行かれました?
植村 デビュー節が終わってすぐに行きました!
渚 お母さまも喜んでいましたか
植村 そうですね。迷惑かけたんで、これから喜ばせてあげたいですね。
渚 次は優勝して祝賀会でごちそうですね!
植村 頑張ります!
渚 今後の目標は
植村 まずは納得のいく走りをすることが一番の目標です。今は着順というより良い試走タイムを出して、良いレースタイムを出すこと。自分自身で納得のいくレースができるようになることが目標です。

【取材を終えて】補欠合格から始まった植村選手のオートレーサー人生。反骨心をバネに努力を重ね優秀選手に選ばれた彼の『何クソ魂』は他の選手にはない強い武器になると感じました。決して口数が多いわけではないですが、その内なる闘志は焦らず先を見据えていると――。オートレースのバイクは乗りこなすのが本当に難しいと聞きますが、何度、壁にぶつかっても、その都度、立ち上がりSGの夢の舞台で活躍している姿を期待しています。