川口オートナイターGⅠ「第48回キューポラ杯」は14日、4日目を開催し最大の難関・準決勝戦が行われた。10Rでは加賀谷建明(46=川口)が直前の雨を味方に圧勝。優勝戦も不安定な走路になれば出番がある。

 これぞ天の助け。雨最強の加賀谷にとっては、まさに恵みの雨となった。試走までの良走路から一転、レース直前に降り出した雨でレースではしっかり濡れた湿走路に。試走はメンバー中5番時計に「もうダメだろうと思っていた」という加賀谷には、これ以上ない舞台が整った。

「雨が降ったと知ったのはピットを出てから。ビショビショに濡れていたので逆に驚きました。いやあ、降らせちゃいましたね(笑い)」。

 メンバー全員が晴れを想定した山の低いタイヤを装着していたため、条件はみんな一緒。こうなれば、あとは滑りに耐えうるバランス感覚とスキルがモノをいう。水を得た魚のごとく湿走路をアッサリ攻略したライディングに、レース後のロッカーは「すごすぎる!」「レインマン!」といった選手間の感嘆の声であふれ返った。

 こうなれば〝もう一丁〟を期待したくなる。予報では優勝戦の時間帯にも雨マークが点在している。加賀谷自身も優勝戦に向けて(エンジンで)欲しい部分は? の問いに「雨です(笑い)」と即答した。

「雨は今の感じがちょうどいい。晴れだと、ちょっと足りないからタイヤも含めて何かしないとね」。運も天も味方に引き寄せる神風は再び吹くのか。20時50分の空模様が何とも気になるところだ。