川口オートのSG「第56回日本選手権オートレース」は2日の4日目、最終予選が行われた。

 湿走路の6Rでは、中村杏亮(29=飯塚)が荒尾聡との熱い戦いを繰り広げた。7番車の位置から好スタートを決め3番手発進。中盤で2番手に浮上し、内目を走る荒尾と一騎打ち。まくりを仕掛けても抵抗される展開が続いたが、最後まであきらめず、最終周も外から攻めゴール前で逆転し、1着を手にした。

 地元の先輩である雨の実力者を撃破し「良かった。荒尾さんに勝ててうれしい」と笑みがこぼれる。「レースは外のコース走ると決めていた。ここは降れば外が利いてくる。直前に降ってきたのでニヤニヤした」と突然の本降りは〝恵みの雨〟となった。

 今節は初日8着で「どうなることかと思った」というところから始まった。ただ、素早く立て直し、2日目に1着奪取。「乗り味はいいし、エンジンも良くなっている」と仕上がりに満足している。

 今年はここまで5優出も優勝はない。近況は試走タイムも出なかったりと、愛機の調子はイマイチ。それでも腐ることはなかった。すべては年末のスーパースター王座決定戦トライアル戦出場が目標にあるからだ。

 昨年は浜松・全日本選抜で優出(5着)し、出場資格の1つであるSG優勝戦ポイントを手にしたが、結果は次点となり出場できなかった。「悔しい思いがずっとあって、危機感を持ってやってきた。今年後半エンジンが全然良くなく、きつかった。でも、あきらめずやってきて今節実った感じ」と成果が出てきた。

 今年は4月、地元・飯塚のオールスターで優出(5着)。ここでSG優勝戦ポイントをさらに加算し、トライアル出場をものにしたいと考えている。「マシンに不安要素はない。思い切って行くだけ」と力を込め、まずは準決勝戦突破を目指す。