川口オートのナイターSG「第44回オールスター・オートレース」は29日、12Rで優勝戦が行われ、佐藤励(25=川口)がゴール前の大逆転劇でSG初優出初制覇を6連勝で決める史上初の快挙を達成した。通算19回目の優勝。

 大混戦を制したのは川口の新鋭だった。スタート後から青山周平と黒川京介のデットヒート。序盤4番手だった佐藤は出遅れも想定内。「タイヤを使わないよう落ち着いて走った」と冷静に前を追った。

 道中では順位を下げるシーンもあったが、9周回で再び鈴木圭一郎を抜いて3番手に上がり、前でやり合う2人に接近。残り1周でも慌てることはなかった。

「黒川さんは外に行くと思ったから、立ち上がりだけ滑らせないように気をつけた」。勝負眼はズバリと当たる。まくる黒川と抵抗する青山の双方が流れ、その隙を見逃さずゴール前差し逆転。オート史に残る劇的な決着となった。

「差さったか分からなかった。オレか?って。最後はワオッて感じでした」。優勝が分かった瞬間は派手なガッツポーズで喜びを爆発させた。

「エンジンは最近いないくらい出ていた」と仕上がりも良かったがそれだけではない。準決勝戦で前3車の接触、優勝戦の先頭争いの攻防と、大きな局面で佐藤に流れが向き、それをしっかりものにした。

 6日制SGで初優出初制覇は史上初の快挙。しかも6連勝のパーフェクトというとんでもないおまけつきで達成してみせた。「感謝の気持ちばかり。多くのお客さんのおかげ」と感謝の言葉を並べた。

 青山、鈴木の2強時代に新星が登場、今後も旋風を巻き起こすことは間違いない。